僕が経営者としていま取り組むべきもの

要約↓
私が経営者として今取り組むべきは、介護福祉を日本が誇る産業へと昇華させるため、「正しい事業成長」を通じて全てのステークホルダーに貢献することです。成長は目的ではなく、従業員の報酬向上や顧客への価値還元を実現するための不可欠な手段だと考えています。
そのために、経営者としてのリソースを3つの「レバレッジ」に集中投下します。第一に「ヒト」。個人の影響範囲を広げる仕組みを整え、成長と報酬が連動する「面白い会社」を創ります。第二に「カネ」。非連続な成長を支え続けるための資金調達に奔走します。第三に「テック」。テクノロジーで現場の属人性を排し、100年続く産業の未来を守ります。
私の役割は、現場を支えるプロが最大限の力を発揮できる「最高の器」を創ること。自らがこの3つのレバーを引くことで、広範囲にポジティブな影響を与え、社会に豊かな循環を生み出していきます。
7割型、社内向けのnoteです
人々の生活と産業を豊かにする会社
僕たちは、介護福祉事業および介護支援テクノロジーを通じて、社会を生きる人々の生活を豊かにし、インフラとして機能するこの産業を豊かにすることが使命です。
僕たちが今取り組んでいる介護福祉産業は「儲からない」「遅れている」などと言われていますが、日本発の世界に冠たる産業になることを信じて止みません。
しかし、この産業は、実際のところ全て上り調子かといえばそうではないと思います。直面している人手不足や社内の仕組みなど、課題が山積していることは事実でしょう。
ですが、誰かがやるべきことです。
それを自分たちも取り組む、ただそれだけのことだと思っています。
すべてのステークホルダーに貢献すること
(※ステークホルダー=直接・間接の関係者)
私たちの会社を取り巻くステークホルダーは「従業員」「お客様」「株主」「社会」であり、これら全てのステークホルダーに価値貢献する会社を作ることが経営者の仕事だと考えています。必ずしも「経営者」が「直接」ステークホルダーに貢献することが仕事というわけではなく、貢献する会社を創ることも取り組み方であるということです。
従業員への貢献=生活の保証および向上と成長環境
お客様への貢献=質の高いサービスの提供
株主への貢献=企業価値の向上と利益の拡大
社会への貢献=自己効力感に溢れる社会の創造
特に社会への貢献は他にも様々ありますが、上記が抽象的な貢献の仕方だと考えています。
正しい事業で(短・中・長期的に)成長し続けること
これこそが、全てのステークホルダーに貢献するための最たる方法だと考えています。「成長すること」は目的ではなく、手段だと思っています。
当然企業価値の向上は、成長でしか生まれないわけなので、株主への貢献はわかりやすいと思います。社会への貢献も正しい事業を行なっているならば、より成長して広くに影響を与えられるならばそれができているように思えます。
では、成長することがなぜ従業員・お客様に貢献することになるのでしょうか。
成長で従業員に貢献する
経営者として、従業員への貢献すべきことは「生活の保証および向上と成長環境の提供」だと思っています。
よく社内では言うことがありますが、
同じ影響範囲で報酬が著しく向上することは難しいのです。例えば、どんなに業績の良いスーパーマーケット企業でも、店舗スタッフの給与は他業界相応ですが、当然店長、エリアマネージャー、本部運営企画部、経営企画、役員とポジションが変わっていくと、店舗スタッフの給与とは変わってくることはイメージ通りかと思います。
それは、「一人の能力がより広範囲にポジティブな影響を与えられる」からです。
具体的にイメージしてみましょう。
小さな1事業所の管理者と100事業所をまとめて統括する人が同じ能力であったとしましょう。
もともと1事業所が年間1000万円の利益で、その人はアイデア力で利益を10%上げられるとした時に、1事業所なら利益が100万円UP、100事業所なら合計1億円UPです。
利益を10%上げられる人は、すごい力の持ち主です。
ですが、そんな人でも1事業所を担うときと100事業所を担うときで、会社に対する影響力が変わってくるのです。
後者であれば、その人が例えば2000万円の報酬をもらうことも自ずと考えられるようになってきます。

ひとつ、レバレッジという言葉がここで重要になります。
英語の「レバー」に由来する言葉ですが、
わかりやすく言えば、「小さなレバー」を引こうが、「大きなレバー」を引こうが、その負担は変わらないが、後者の方がより大きな影響を与えられるという意味です。同じ人の時間を使うなら、「より広範囲に影響が与えられるところ」で使うということです。

つまり、報酬が上がっていくためには、「影響範囲が広がり、広範囲に良い影響が与えられるようになる=レバレッジが効く」ことが必要なのです。
もう一度伝えます、「影響範囲が広がり、広範囲に良い影響が与えられるようになる=レバレッジが効く」ことが必要なのです。
どれだけ業績の良いスーパーマーケット企業でも、店舗スタッフ全員が年収1,000万円では成り立ちません。良い影響を与えられる人がより広い範囲を担うことによって、その給与の原資をつくることができるのです。
ここで社会一般では、勘違いされがちなことがあります。
「ポジションが上がれば報酬が高い」「報酬はポジションに基づく」というものです。今お伝えしたとおり、名ばかりのポジションが上がったところで、本当の意味で給与が上がる理由にはならないのです。
その人がより広範囲に良い影響(財務的にも非財務的にも)を与えることによって、給与が上がるのです。
ただし、「影響範囲を広げる」といっても、自分ではどうすることもできません。なぜなら、「そんなポジションがないから」です。
ここで「会社が成長することが従業員貢献」につながってくるわけです。
会社が成長すればポジションを増やすことができる。
それは単純に統括する範囲だけではなく、例えば「ケアのプロ」といった専門分野をより深めることもできるようになります。
成長して、ポジションを増やして、広範囲に良い影響を与えられる人を増やして、報酬を上げていく、これが「手段としての成長」ということです。
何より成長する環境で働く人が成長するし、それは楽しいことです!
成長でお客様に貢献する
私たちのお客様はご利用者様と全国の介護事業所です。
これは今出てきた「レバレッジ」がまさに効くところです。
たとえば、仮にみなさんがヒートテックのシャツを1枚だけ世の中に生み出そうと思えば、研究から製造から輸送から、とてもではありませんが2桁億円で手に届くかすら自信がありません。
しかし、今私たちはヒートテックを1枚1,000円程度で手に取ることができています。
これは、同じ研究内容、同じ製造内容、同じ輸送内容でより多くの人に価値を届けているから、1枚あたりの単価を安くすることができているということです。
これを「規模の経済性」や「スケールメリット」などと呼んだりします。
私たちは日頃、知らず知らずのうちに色々な発明をしています。
例えば、「より良いレクの運営」や「ケアのマニュアルや知識」などはそうです。こうしたものを生み出すには、時間と経済的なコストが必要です。
しかし、会社が成長してより多くの人に提供できるとき、お客様にとってそのコストを小さく感じることができるのです。
もっといえば、ITというのは「無形のもの」で、「何度も量産が可能」ですから、そのスケールメリットがかなり大きいです。
開発にどれだけコストがかかっても、それを多くのお客様に価値貢献できればお客様あたりのコストを下げることができます。
注意:”正しい事業で”
これらの「レバレッジ」がきき、同じ財務的・非財務的コストでより広い範囲に影響を与えることによって、成長が従業員やお客様に影響を与えることになります。しかし重要なのは大前提となる「正しい事業」で行うということです。正しくない事業が成長しては、「悪影響を広範囲に与える」だけで、「負のレバレッジ」になってしまいます。ですから、「正しい事業」で行うことが重要なわけです。
成長させる3つのレバレッジ
つまり、会社を成長させることが全てのステークホルダーに価値貢献することであり、経営者の仕事であると考えているわけですが、実際にどのようにするのかがポイントです。
最初にお伝えしたとおり、
経営者が全てのステークホルダーに「直接」影響を与えることが良いわけではありません。(実際のところ、できたら良いのでしょうが、経営者自身も24時間365日の中で生きており、資源には制約があります)
成長させる「会社」をつくることが仕事とも言えます。

会社を成長させるためにも「どこを成長点=レバーとして投資をすべきか」が重要であると思います。
そこで、私たちの産業では3つのレバレッジが重要であると考えています。
「ヒト」「カネ」「テック」です。
ヒトレバレッジ
会社はその会社を構成する一人一人で成り立ちます。
ましてやこの産業ですから、人も多いです。
人が多い分、すべての人が150%の熱量になることが実現可能かと言えば、なかなか難しいと思いますが、
相対的に「仕事が面白い!」会社をつくることはできると思います。
「ヒトに投資する会社」でありたいと思っています。
この「ヒトに投資する」というのは、単純に一人一人の報酬ということだけではありません。
「ヒトにまつわる制度」や「採用方法」、「福利厚生」「他業界から優秀なひとを連れてくる」など、すべての「ヒト」にまつわるカテゴリーです。
この「ヒトのカテゴリー」に経営者としてリソースをさいて、「レバレッジ」をかけます。
カネレバレッジ
結局、お金がなくてはどうしようもありません。
事業を成長させるにも、させる方法がありません。
この金策は全ての前提になるものです。
非連続的な成長を連続的にとるためには、連続的に資金を調達することが求められます。
この資金を調達する「カネレバレッジ」に経営者のリソースをかけるということです。
テックレバレッジ
私たちが取り組む介護福祉業界は、他の業界と同様に、いやそれ以上に人が足りません。人が必要な業界にも関わらず、足りません。
足りないというのは、日常的に足りないということもありますが、
「誰かがいなくなった時に足りない」という意味での足りないというニュアンスが強いです。
テック=テクノロジーは、「誰でもできる」再現性を持たせます。
テクノロジーなしで全てアナログに社会が回るならそうしたいところではありますが、「不可避」です。
テクノロジーに投資をすることは10年、50年、100年後も続く産業を創るということです。属人性を減らし、持続的にするということです。
先日、社内であった共有で腑に落ちた表現がありました。
テクノロジーを活用することは「未来を守る」ことだと。
いよいよ、時が来たと思っています。
私たちは自社でエンジニアを抱えて、他産業のトップ企業と同水準の開発を進めています。
それが、この産業の未来を守ることだと思っています。
プロを信じる
最近、サイバーエージェント藤田さんの最新の書籍を読みました。
そこから学ぶものはいくつもあったわけですが、「プロに任せる」という項目がありました。
経営者が経営力にレバレッジをかけられるのは、現場のプロのおかげです。
いつも、本当にありがとうございます。
現場のプロとして誇り高い皆さんの努力に報いる経営をすることが自分の仕事です。

