福岡県嘉麻市熊ヶ畑「65歳出発式」ー日本一65歳以上が輝ける地域へ

福岡県嘉麻市熊ヶ畑「65歳出発式」ー日本一65歳以上が輝ける地域へ

世界一の超高齢社会日本、年々介護費も増大する中で、
高齢者が相互共助を通じて予防もし、元気な社会を創造することは急務である。

そんな社会を今日、この目で見た。
福岡県嘉麻市の熊ヶ畑という人口300-400人程度の小さな地域だ。
平均年齢も70歳近い、客観的な数字だけで見ると「限界集落」と形容されても不思議ではない。

筑豊炭田の一部開発により一時栄えたものの、それ以降は急速に人口も落とし、現在小学校の在校生は全学年含めて8名とのこと。

福岡市の東、飯塚市の南に位置する

この地域との関わりは、3年半前に、私が20歳の時、学生として参加したソフトバンク主催の地域創生プログラムでこの地域の課題解決をお題に取り組んだことから始まります。(https://ture-tech.com/

この小さな地域のコミュニティについて考えることがお題とされましたが、
当時はコロナ禍もあり、オンラインでこのコミュニティについて地域の皆さんからの意見を聞きながら、あり方を考えました。

若者に来てほしい

地域の皆さんからはそんな声がよく聞こえました。
持続的な地域の運営には若者の力が不可欠である、それは皆の共通見解でした。
しかし、そもそも全国的に人口が減少し、出生率も落ちる中で、20-30代の若者を呼び寄せるのは極めて困難であると感じていました。

ありきたりな案で、20-30代の若者が来るような施策を考えてみるも、当時20歳の自分からして、「それで行きたいとは一切思わない」と心のどこかで思っており、腑に落ちていませんでした。

そこで、こんな話を聞きました。

〇〇さんは、本当に若くして熊ヶ畑に帰ってきてくれて、一所懸命に地域に貢献してくれて、嬉しい。

私たちの知っている〇〇さんは、70歳の方でした。
大阪から出て、東京に住んでいた私にとって、その方はとても「若者」とは思えませんでした。

そうか、地域によっては、60代は若者なのか。

そう考えるようになって、20-30代を地域に呼び込むことから一転、
65歳を一区切りとして、65歳を地域に呼び込むことに集中しました。

そして、最終的に地域には65歳出発式を提案しました。

地方創生インターンシップ『TURE-TECH』開催レポート(2022年度) - 嘉麻市ホームページ 嘉麻市公式サイト www.city.kama.lg.jp

https://www.city.kama.lg.jp/uploaded/attachment/14805.pdf

半信半疑の提案

なんとなく、地域の皆さんの声を取り入れられたような気がしつつも、
まだまだ「ありきたりだな」「これが地域で必要な機会になる」とはイメージしきれていない自分がいました。
また、学生プログラムでは「提案して終わり」というのはよくあることです。

“第二の人生”の門出祝う「65歳出発式」 福岡・嘉麻市で12人が抱負 大人として新たな門出を祝う成人式のように、高齢世代になる65歳を第二の人生のスタートとして祝う「65歳出発式」が、福岡県嘉 www.nishinippon.co.jp

しかし、驚くべき地域の皆さんの実行力で第一回が開催されることになりました。
そして、さらに驚くべきことに、同級生の約半数が、地域から出ているにもかかわらず、また熊ヶ畑で集まる、というこれも本当に素晴らしいことだと思いました。

ただ、まあ1回目が執り行われて2回目がない、というのもよくある話です。
しかし…

福岡県嘉麻市の熊ケ畑小で「65歳出発式」 第二の人生へ12人が思い新た 65歳を第二の人生のスタートとして祝う「65歳出発式」が23日、福岡県嘉麻市熊ケ畑の熊ケ畑小であった。同小の卒業生や熊.. www.nishinippon.co.jp

2回目が開催されました。
地域の皆さんの行動力には目を見張るものがあります。

そして、今年3回目の開催があると連絡を受けました。

私は、巡り巡ってこの「65歳出発式」を考えた際には思いもよりませんでしたが、介護福祉に従事するに至りました。
そして、日本版のCCRCとして「CCRCC」を考えたり、世界に誇れる日本の新高齢者モデルの発進のために昨年書籍を出版したり、としていました。

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3回も続くこの「65歳出発式」は一体どのように実際に行われているのか、見ずにはいられず、今年は足を運びました。

まず、会場に入って驚いたのが、想像していた3倍ほどの規模での開催であったことです。
人口300人の地域で行われているとは考えられない、そんな規模でした。
聞くところによると、第一回、第二回に参加した方がまた熊ヶ畑にこのために来ている、とのこと。

今年は、同級生20名のうち8名が集まる機会になりました。
みなさんは「もっと集めたかった」とおっしゃっていましたが、
ほとんど全員が地域外に住んでおり、そんな方が65歳にして1日だけでも返ってくる、それはこの人口300人の地域には大きな、大きな意味があります。

そして、この機会を生み出しているのは、
「地域の連携」に他なりませんでした。
準備に準備を重ね、地域の様々な方がこの65歳出発式にされていました。

式を迎えられた皆さんからは、約50年ぶりに顔をあわせる同級生への想いや、その尊さの声が聞こえました。

世界一の超高齢社会日本。
それは、「人生に新たなフェーズをもたらすチャンス」を私たちが持っているとも言えます。
65歳はリタイアの歳ではなく、人生のネクストステップを「始める歳」です。

これほどまでに、歳を重ねることをポジティブに、活気を持って語る地域を始めてみました。
そこに、日本の可能性を抱くとともに、
世界に先駆けて開花させたい、そう強く思います。

この熊ヶ畑から生まれた新たなモデルが、広がりますように。